味重 代表 大川 和磨 氏

人材や資金に余裕がないからこそ、課題解決のための支援が心強いです。

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大川 和磨 代表(右)と吉城 壮人 経営支援員(左)

独自のメニューを開発して次の一手に

 当店は、牛タンメニューも提供する居酒屋をメインに営業していましたが、経営者として次の一手に迫られていたところで、当店ならではの牛タンを使った看板メニューを開発するため、専門店の方にお願いして仕込みのやり方から教わりました。試行錯誤の末、日本古来の技術である「昆布締め」を採用した熟成牛タンを完成させることができたのですが、いざ完成した昆布締め牛タンの提供を開始しようとした時期にコロナウイルスが流行し始め、その影響で居酒屋を休業したことをきっかけに牛タン専門店として仕出し弁当に主軸を移しました。
 しかし、昆布締め牛タンは世間での認知はあまり広まっていませんでした。そのような中、商品をもっと世間に知ってほしい、商圏エリアを拡大し昆布締め牛タンを広めたい、という思いから新規事業として牛タンの物販を始めましたが、新聞掲載やチラシ作成などに掛かる費用が大きく、販路拡大の先行投資として資金が必要になったため、以前から商工会議所の窓口専門家相談や確定申告のサポートを利用していたこともあり、今回も支援員である吉城さんに相談し、資金調達のために「マル経融資」に申請することにしました。申請の結果、融資を受けることができたので、新たな販路開拓のために資金を充てることができました。

申請書類作成などの苦手部分を補う丁寧なサポート

 その後、コロナ禍などでも安定して事業所を経営していくために、ECサイトでの販売に注力していこうと考えていたのですが、長期的な集客のためには、宣伝活動が課題となりました。各メディアへの掲載や、検索サイトで上位に表示されるためのSEOなどを行おうと考えましたが、宣伝は継続しないと効果が得られないので、さらなる費用の調達が当面の目標となりました。その時にも商工会議所に相談をしたところ、「宮城県再起支援事業補助金」の申請を提案していただきました。申請書類の作成は文言も難しく、慣れない私にとっては至難の業でしたが、私が書類作成や数字が苦手なことを理解した上での吉城さんの丁寧なサポートのかいもあり、無事に採択を受けることができました。これからは宣伝活動により力を入れ、全国にも「昆布締め牛タン」を広げていきたいと考えています。
 当店のように、少人数で切り盛りしているところでは、経理や補助金の申請のためにスタッフを割り当てるといった余裕はなかなか持てません。外部の専門家に依頼するにしても、資金的に難しいのが現実ですが、商工会議所なら、小規模事業者が抱える課題の解決の糸口を見つけてくれたり、力を貸してくれる専門家の方がいますので、これからも頼りにさせていただきます。
 今後は、当店をさらに多くの人に知ってもらうための、SNSなどを使った情報発信のやり方を相談したいと考えています。そして、通販事業が軌道にのったら、人手を増やし、以前行っていたランチ営業も再開させて、近隣の飲食店とも協力しながら、地域を盛り上げていきたいですね。

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牛タンの仕込みの様子。牛タンを昆布で締めた後、4日間漬け込むことで、うまみを凝縮させている。
創 業 2009年4月
事業内容 昆布締め牛タンの通信販売や仕出し、高齢者向け弁当の販売・配達を行う。
所在地 仙台市宮城野区幸町5-12-7三井会館1階

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