㈱永勘染工場 代表取締役 永野 仁輝 氏
思い切って受けたサポートが、経営向上の原動力になりました。
永野 仁輝 代表取締役(右)と加藤 雄三 経営支援員(左)
1人で悩まず一歩を踏み出す勇気
弊社は、明治時代から若林区南染師町で染めものを手がけてきました。現在は、昔ながらののれんやのぼり、はっぴ、手ぬぐいなどに留まらず、タオルやマスクに至るまで、オーダーメードによる布製品の製造販売を行っています。
商工会議所に相談するきっかけとなったのは青年部です。所属している同世代の経営者の皆さんが、自社の経営課題を商工会議所の経営支援員の方に相談をしているという話を聞きました。私自身、青年部にはもともと所属していたものの、事業への参加が遠のいた時期もあったので、最初は利用してもよいのかと少し悩みましたが、自社が抱える課題や悩みに対して、各分野の専門家からアドバイスをいただけると聞き、思い切って当時の青年部担当だった加藤さんにお声がけしました。
成長を促す生きる資金調達
活用したメニューは複数ありますが、「小規模事業者持続化補助金」と「マル経融資」は弊社の転機になったと思います。
当時、新たな販路を開拓するために持続化補助金を申請しようと、加藤さんに申請書類作成のサポートをお願いしました。数字を落とし込んだ計画書を作るのは初めてということもあり、審査する側に弊社の思いや、やりたいことが伝わるようにまとめるのは至難の業でした。業界の専門用語を多用してしまったり、焦点がぼやけた表現になってしまった箇所を的確に指導いただいたことで、必要書類をスムーズに作成することができ、無事に採択を受けることができました。
その後、持続化補助金の申請書類を作っていくうちに浮き彫りになった製造工程の効率化や、生産現場の維持を図るためにマル経融資を利用しました。当時の作業場は、築60年ほど経過して老朽化が進んでいたほか、染色後の乾燥作業が屋外中心だったことから、天候に左右されるなどの課題がありました。それらを解消するために、マル経融資で得た資金で工場を改修した結果、品質管理が工場内でできるようになり、生産力・品質共に向上がかなうとともに、空調を完備したことで乾燥作業も屋内でできるようになり、従業員の作業負担軽減をはじめとした働き方改革にもつながったのです。
このほかにも、ITやマーケティングの専門家に相談させていただく中で、ロゴを新しくしたり、コーポレートサイトを新たに作成し、ブランディングに着手することができました。
異業種交流が自社の発展に
青年部に入ったことで、出会う機会がない異業種の方と勉強したり、地元のお祭りなどに参加しながらコミュニケーションを深め、大いに刺激を受けています。さらに、コロナ禍でも、このつながりの中からマスクの注文を受ける機会にも恵まれました。お客さまからのご注文に応えることが、私たちにとっては新商品開発につながりますので、前を向いて事業を継続することを考え、さらなる成長が見込めるように努力していきたいと思っています。
染色作業の様子。伝統的な染めの技法だけではなく、お客さまの要望に応じて現代技術も組み合わせながら、商品を提供している。
創 業 | 1887年(明治20年) |
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設 立 | 1958年12月 |
事業内容 | オーダーメードによる布製品の製造販売 |
所在地 | 仙台市若林区南染師町13 |
ホームページ | https://www.nagakan.jp/ |