㈱アスナロコーポレーション 代表取締役会長 渡辺 満雄 氏、代表取締役社長 渡辺 武雄 氏
具体的な経営改善策を軸に、事業承継も進めることができました。
左から渡辺 武雄 代表取締役社長、渡辺 満雄 代表取締役会長、神田 寿己 経営支援員
提示された具体策に光明
店舗売り上げの減少が続いたことで、商工会議所に経営の改善策を相談しました。会員になってから長いのですが、直接、電話をしたのはこれが初めてです。それだけ、経営状況が逼迫(ルビ:ひっぱく)していました。
結果から申しまして、「商工会議所に相談してよかった」というのが本音です。これまでは、どこに相談しても「もう少しムダを省いて経費削減してみて」とか、「このままだと会社の存続が厳しくなりますよ」といった、アドバイスとも言えないアドバイスしかもらうことができず、モヤモヤした気持ちが残るだけでした。しかし、今回はどの時期に何をするという明確な提案をいただくことができました。立て直しの道筋が見えたときには、不安よりも1年後が楽しみになったほどです。
初めに、担当支援員の神田さんに話を聞いていただき、債務返済の状況や、各店舗の売り上げなどがわかる資料を用意しました。その後、中小企業診断士であり、税理士でもある米田正美先生にも加わっていただいたのですが、その中できっぱりと「不採算店を整理しましょう」というアドバイスを受けました。そのときに、閉店することで得られるメリットを数字で示していただいたことで、現状の把握とこれから何に力を入れていくべきなのかが明確になりました。そこで、すぐに不採算店2店舗の整理を決意。従業員にも状況を説明し、理解を得ることができました。経営の立て直しは、従業員の協力なくして進めることはできません。その観点からも、専門家が分析したデータを提示し、経営状況を皆で共有できたことはよかったと思っています。
信頼を礎に経営の安定を図る
商工会議所には、ここ2年ぐらいで成し遂げようと考えていた事業承継についても相談しました。すぐに「現状を見える化しましょう」と言っていただき、事業承継の道筋を見える化してもらえる「企業健康診断」を活用。それを基にサポートしてもらう形で、現社長への株式の譲渡を完了することができました。
ひと口にクリーニング業と言っても、その内容は個人のお客さまからクリーニング品をお預かりする部門と、ホテルなどのリネン類を扱う部門の2つがあります。これまで、私たちは個人のお客さまを対象としたクリーニングにおいて、「おろしたて」に近づける洗いと仕上げの技術を開発し、それを提供することをやりがいとしてきました。そして今は、ここで培った信頼が、リネン部門の拡大へとつながってきています。今後は、リネン部門にも力を入れていき、経営の安定を図っていきます。
今回の相談を通じて、商工会議所には、多くの経験や幅広い知識を武器にもつ経営支援員がいて、外部の専門家とも密に連携していることを改めて認識しました。今後も、悩んだらまず商工会議所に相談して、伴走してもらいながら進んでいきたいと思っています。
経営理念の一つである「技術にうるさい集団」に基づいて提供するクリーニングサービスを通じて、今後もお客さまにとって快適な生活を提案し続けていく。
創 業 | 1967年5月 |
---|---|
事業内容 | クリーニング業(一般衣料品、ユニフォーム、リネンほか) |
所在地 | 仙台市若林区上飯田1-3-21 |