未曽有の被害をもたらした東日本大震災から10年が経過いたしました。改めまして、お亡くなりになられた方々に追悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に深くお悔やみ申し上げます。仙台商工会議所におかれましては、鎌田会頭を筆頭に、一日も早い事業再開と地域経済の再生に向け、最前線で事業者支援に取り組まれるとともに、仙台七夕まつりや東北六魂祭の開催に御尽力され、多くの被災者に元気と希望を届けられるなど、東北全域にわたる復旧・復興に貢献いただいてまいりました。さらには、交流人口拡大に向けた海外へのプロモーションや仙台空港の利活用促進など、将来を見据えた取組にも御協力を頂いております。貴会議所の精力的な取組が、本県の復旧・復興の大きな支えとなってきたところであり、改めまして厚くお礼申し上げます。今後とも、地域の振興・発展のけん引役として、事業者に寄り添った手厚い御支援を賜りますようお願いいたします。また、今般発行されます震災記録誌は、教訓の継承や防災意識の向上に資するものであり、次世代に引き継ぐ災害対応の先例として、県内はもちろん、全国的にも幅広く活用されるものと期待しております。さて、これまで県では、復興の道筋を示す宮城県震災復興計画に基づき、生活基盤や公共施設を復旧させる復旧期、事業者支援やインフラ整備を充実していく再生期及び県勢の発展に向けて戦略的に取組を推進していく発展期の3期にわたり、創造的な復興の実現に向け、総力を挙げて取り組んでまいりました。震災から10年が経過し、インフラの復旧や災害に強いまちづくりはおおむね完了した一方、被災者の心のケアや地域コミュニティの再生など、ソフト面の取組には課題が残っておりますので、引き続き、被災者に寄り添ったきめ細かな支援に取り組んでまいります。今年は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会や全国豊かな海づくり大会の開催が予定されております。宮城の復興の姿を広く発信するとともに、これまでの温かい御支援に対する感謝を伝えたいと考えております。また、世界的に新型コロナウイルス感染症が流行し、地域経済にも大きな影響を及ぼしているところでありますが、早急なコロナ対策を講じながら、震災復興の完遂と富県宮城の更なる躍進に向け、全力で取り組んでまいりますので、引き続き、皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。結びに、宮城の明るい未来と県民の皆様の御多幸を祈念いたしまして、挨拶といたします。宮城県知事村井 嘉浩東日本大震災10年史の発行に寄せて9
元のページ ../index.html#11