東日本大震災の記録と復興の一年の軌跡
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70Ⅱ.復興特区の活用による企業誘致並びに産業の再生・創造・集積について 津波による甚大な被害を受けた東部地域においては、単なる復旧にとどまらない、新たな土地利用及び産業の創出・集積が求められる。 特に農業を始めとする第一次産業については、従来の経営形態にとらわれず、6次産業化の促進などによる高付加価値商品の開発を進め、雇用並びに所得を増大させる事が再建に向けて重要な鍵を握る。 また、東部地域は、仙台港背後地を中心として、これまでも積極的な企業誘致と土地開発が進められてきたが、今後の震災復興にあっては、企業誘致と同時に、進出企業と既存の地元企業が共生し、相乗的な効果が生まれる土地利用施策を考える事が、さらなる発展に繋がるものと考えられる。 加えて、本地域は、豊かな自然環境と仙台空港や仙台東部道路に近接しているという地理的利便性から、企業誘致はもとより、バイオマス等の次世代型エネルギーの研究・開発など新たな産業の集積拠点としても大いに可能性を秘めている。 以上の事から、次の事項を提言する。1.今後の拡大が見込まれる、一次産業と企業のマッチングなどによる高付加価値商品の開発及び販売 ルート構築や、一次産業への転職・就労を目指す者に対する職業訓練などのさらなる支援拡充2.再生を目指す地元既存企業も復興特区のメリットを享受できる制度の拡充3.特区をはじめとする進出企業と地元企業のマッチング支援4.再生可能エネルギーの研究・開発拠点の早期整備と医療産業やソフトウェア産業などの集積促進Ⅲ.宮城・東北を牽引する仙台の都市力向上について 東北地域の復興にあたっては、仙台市が街の魅力を高め、都市力の向上を図る事で、東北全体の牽引者としてリーダーシップを発揮していかなければならない。 震災直後、地域コミュニティの核として市民生活の安定化に大きく寄与した中心部商店街については、賑わい創出に加えて、緊急時の安全性確保・情報発信機能を強化する事が求められる。また、都市機能の強化に不可欠なインフラ整備については、東北の物流拠点としての役割強化、災害時の緊急・代替輸送の円滑化のためにも早期整備を図られたい。 加えて、仙台は、震災の経験をいかし、真に災害に強い街づくりを進め、全国へアピールしていく必要がある。 以上の事から、次の事項を提言する。1.東北の復興を牽引する港湾・空港の早期整備促進と機能拡充2.破壊・寸断された鉄道網の早期整備促進3.宮城・東北の経済・復興を牽引する、仙台市中心部商店街の活力強化をはじめとする都市機能の強化・拡充4.復興のシンボルとなる、仙台城を含めた青葉山一体の整備促進や、震災の記憶を風化させないメモリアル ホールの整備5.災害時における広域的な緊急輸送ルートとなりうる鉄道・道路、災害に強い通信環境などインフラの整備促進6.防災意識の向上と震災の体験を生かした、企業の危機管理に関する支援拡充7.中心部並びに周辺部商店街の、防災性・安全性の向上に繋がる支援の拡充仙台商工会議所の活動に関するデータ第4章

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