東日本大震災の記録と復興の一年の軌跡
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54会員事業所を対象とした、震災直後の状況確認調査結果報告書仙台商工会議所 会員推進連携チーム以下、3月11日に発生した東日本大震災直後の、会員状況確認施策として、以下2つの施策を行った。施策について 3月11日の東日本大震災発生後、3月25日~4月18日の間で、仙台商工会議所として、会員事業所の状況確認を行う為の1次対応策を行った。方法は、職員による電話確認と巡回訪問による確認である。前者は被害が重度ではないと想定される内陸部(泉区・青葉区・太白区・及び若林区・宮城野区の一部)に対して行い、後者は、被害が重度と想定される沿岸部(若林区・宮城野区の一部)に対して行った。結果、会員事業所全体の77.5%にあたる、5,442事業所とコンタクトがとれた。 主な人的被害として確認されたのは、代表者の怪我2名(太白・宮城野)・死亡4名(青葉2・若林2)の他、電話確認(内陸部)での従業員死亡確認19名、従業員行方不明確認22名だった。巡回訪問での従業員の死亡・行方不明確認は多数に及んだ。 営業状態としては、会員事業所全体の91.4%にあたる、4,976事業所が営業再開をしていた。しかし、「この震災により、何らかの被害を被った」と認識している事業所は、全体の半数近く(45.8%)にのぼり、多くの事業所が何らかの課題を抱えた中での再開であることが分かった。営業本格再開までの課題として最も多く挙げられたのが「建屋損害」(41.4%)、次いで「その他」(37.5%)、「取引先被害」(14.7%)と続いた。「その他」の中で最も多かったのは、ガソリン不足に絡んだ事項であった。 特に被害が大きかった地域は、若林区と宮城野区の、特に沿岸部だった。これら地域の事業所は津波による被害を大きく受けており、現在確認できただけでも、74の事業所が、津波・地震により所在不明となっている。(全壊含む) 会議所への要望としては、経済団体のトップとして、交通機関や電気・ガス等の公共インフラ復旧を早期に働きかけて欲しいという声や、融資・復旧・手続き方法等の市内経済情報のハブ機能となることを要望される声も多かった。 その他、無償で仙台経済復興に協力したいと申し出ていただける事業所も幾つかあった。沿岸部においては、事業継続そのものが困難にさらされている事業所も多く、復興需要の地元への還元等、仙台経済復興策の一翼を会議所に担って欲しいという声も聞かれた。 今後、営業再開済、そして未再開の事業所の期待に対してどのように応えるべきか、仙台商工会議所としての真価が問われる時期となる。報告概要フォローコール施策内陸部の会員に対する、職員の電話による、状況(安否)確認沿岸部の会員に対する、職員の訪問による、状況(安否)確認2011年3月25日(金)~4月8日(金)の11日間※土日を除く2011年3月25日(金)~4月18日(月)の17日間※土日を除く12名(女性職員10名、ブラフマン2名)●泉区・青葉区・太白区の会員事業所全て●若林区・宮城野区の会員事業所一部21名(男性職員21名。総動員数)●若林区・宮城野区の会員事業所一部※津波等の被害甚大想定地域【内訳数】4,931の仙台市内会員事業所⇒ 泉区:251、青葉区:3,049、太白区:901、 若林区:329、宮城野区:401【内訳数】2,090の仙台市内会員事業所⇒ 若林区:967、宮城野区:1,123●定量データ ⇒ 代表安否/被害有無/営業可否/ 営業再開までの課題●定性データ ⇒ 要望や状況詳細●定量データ ⇒ 所在確認/代表安否/被害状況/営業可否/ 営業再開までの課題●定性データ ⇒ 要望や状況詳細・ 1事業所につき、最低1回はコール行った。 (対象リストは1巡)・ 不在事業所は、日を改めて再コールを行った。・ 施策前に確認済の事業所等は、アプローチ除外とした。・ 1事業所につき、最低1回は現地訪問を行った。 (対象リストは1巡)・ 不在事業所は、災害対策情報等のチラシ置き込みを行った。・ 施策前に確認済の事業所等は、アプローチ除外とした。施策名期 間概 要人 員対 象主な質問項目補 足巡回訪問施策平成23年5月2日仙台商工会議所の活動に関するデータ第4章A-329ページ

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